アパートの 空室率 を下げたい!低コストですぐに実践できる 空室対策 をご紹介

空室は、賃貸経営における大きな悩みのひとつです。

1ヶ月・2ヶ月で決まるのであれば理想的な経営状態と言えますが、空室が5ヶ月・6ヶ月となると一般には「長引いている」と判断される状態となります。損失も当初のシミュレーションを超え、いかにして空室を埋めるかが喫緊の課題となるでしょう。

しかし、どれだけ空室を埋める効果があったとしても、1部屋あたり何百万円ものコストがかかる空室対策はそう簡単には実施できません。

そこで、この記事では低コストで、すぐに実践可能な空室対策をピックアップしてご紹介します。

すぐにできるアパートの空室対策① 検索対策をする

およそ15年前、まだインターネットがこれほどまでに普及する前の社会においては、部屋探しはまず不動産会社を訪問し、条件に合ったアパートを紹介してもらうスタイルが一般的でした。

しかし近年では、部屋探しはまず不動産ポータルサイトに自分でアクセスするところから始まり、希望するアパートをほとんど決めた状態で不動産会社を訪問するスタイルに切り替わりました。不動産会社に紹介してもらうことではなく、「ポータルサイトで内見の候補に残ること」が、入居者を獲得するための第一条件となったのです。

そうなると、最初に実施すべきはポータルサイトで目立つための施策です。特に外せないのは次の2つでしょう。

設備を充実させ「絞り込まれるアパート」を目指す

ひとつは「自分の物件が検索されやすくするための施策」です。中でも不動産ポータルサイトの検索対策では「絞り込み機能」の対策が効果的です。

ポータルサイトで部屋探しをする際には、「駅徒歩10分以内」「RC造」「家賃6万円以内」「築3年以内」など、自分の住みたい物件の条件を選択して、その条件に合う部屋だけが表示されるように「情報を絞り込んで」いきます。

そしてこの条件は、前述のような駅徒歩分数・築年数・構造といったものだけではなく、「設置されている設備」でも絞り込みが行われます。

なお、多くの人が絞り込み条件に入れている、人気の高い設備は次のとおりです。

  • エアコン
  • 室内洗濯機置き場
  • ガスコンロ(2口以上)
  • TVモニター付きインターホン
  • 防犯カメラ
  • 浴室換気乾燥機
  • 温水洗浄便座

これらの設備が付いている物件は、多くの人の目に留まります。反対に、これらの設備がついていない物件は、早々に「住みたい部屋の候補」から除外されていくことになります。

まずは上述のような人気設備を物件に取り入れ、多くの人の「住みたい部屋の候補」に残ることを目指しましょう。ちなみに、ここで挙げた設備はそれほどコストのかからない、導入しやすい設備ですので、未設置の場合は是非ご検討ください。

このほか、近年の人気設備として欠かせないものといえば「無料インターネット」です。

導入費用だけでなくランニング費用もかかるため、事前の収支シミュレーションが欠かせませんが、その実力は折り紙付き。早期成約はもちろん賃料アップも目指せる設備です。

ポイントを押さえた写真で「印象に残るアパート」になる

絞り込み対策と合わせて行ないたいのが、「絞り込まれたあとに目立つための施策」です。

具体的には、ぱっと画面を見ただけで物件の魅力が伝わるよう、外観や室内の写真を高品質化し、掲載数についても充実させます。

室内は明るく清潔な様子が伝わるように心がけ、カメラや構図、撮影テクニックにも気を配りましょう。余裕がある場合はホームステージングを実施して、実際の暮らしがイメージできるように演出すると良いでしょう。

また、部屋探しの現場では、多くの方が居室だけでなくキッチンや浴室、トイレといった水回りの様子を確認したいと考えています。「室内写真=リビングの写真」だと考えず、その他の部屋や設備などもしっかりと撮影したうえで、ポータルサイトに掲載できる上限の枚数を目指しましょう。

なお、外観や共用部については、なかなか撮影技術等だけで欠点をカバーできないものです。実際に清掃や植栽剪定を行ない、見栄えをよくしたうえで写真を撮るようにしましょう。

すぐにできるアパートの空室対策② 第一印象を良くする

多くの場合、内見はアパートと入居希望者との初対面の場です。人間関係で「第一印象が大切」と言われているのと同様に、アパートの第一印象も入居率を大きく左右します。

とはいえ、外壁の塗り替えや大規模な改修を「空室対策」のために行なうとなると、さすがにコストが高すぎます。まずはお金のかからない美観対策をおこない、第一印象を向上させましょう。

こまめな清掃で「清潔で安心なアパート」だと印象付ける

すぐにできる美観対策の一つめは、なんといっても清掃です。

「このくらいで良いだろう」とオーナーの目線で決めるのではなく、ご自身が入居者だったらどのようなアパートに住みたいかを考えながら清掃を実施します。予算を決めて清掃業者を入れるのが手っ取り早いですが、節約したい場合はご自身での清掃実施も検討できるでしょう。

  • ゴミ置き場は清潔を保てているか
  • 駐輪場に放置自転車はないか
  • 敷地内にゴミが散乱していないか
  • 空室のポストからチラシがあふれていないか
  • 電球が切れていないか

これらが日常的にチェックされているアパートは、築年数が古くとも内見に訪れた方にさわやかな印象を与えます。「清掃が行き届いている=しっかりと管理されている=安心して暮らせる」と判断する方も少なくありません。

ちなみに、日常的な清掃を月に2回、業者に委託する場合の費用は、住戸数4~10のアパートで1万円~1万2千円ほどが目安です。また、費用は別途見積もりとなりますが、共用廊下や階段など足元の汚れ・黒ずみがひどい場合には、それらを一掃できるポリッシャー清掃や高圧洗浄がおすすめです。

部分的なリフォームでイメージチェンジを図る

もう少し予算をかけて第一印象を向上させたい場合は、アパートの顔ともいえるエントランス周辺のリフォームを行なうのも選択肢のひとつです。

20万円ほどの予算があれば、集合ポストを新品に交換する、玄関ドアを塗り替える、塗装の剥げた部分を塗り直すといった対策を施せます。

アプローチの植栽を整えてライトアップや季節感のある装飾をおこない、楽しそうで温かみのある雰囲気を演出するのも有効でしょう。

植栽や雑草が伸び放題になっているアパートは管理不足と判断されやすく、空室の原因ともなりかねません。建物だけでなく敷地ぜんぶが物件の第一印象を形成していると心得て、隙のない美観対策を施しましょう。

すぐにできるアパートの空室対策③その他の小さな対策を組み合わせる

一度に大きく変更はできない、少しずつ施策を試してみたいという方には、小さな空室対策を組み合わせる方法がおすすめです。

空きスペースを活用して収納スペースを増やす

住宅の床面積に占める収納面積の割合のことを収納率といい、アパートの場合は8%以上が理想です。

しかし、既に建てた後のアパートに広々とした収納スペースを新設するのは、なかなか難しいことでしょう。

そこで、住戸内の空きスペースを活用し、小さな収納スペースを多く作る方法をおすすめします。

たとえば、玄関にコート掛けを作る。トイレに飾り棚やコーナーラックを設ける。洗濯機置き場の上に可動式の棚を設置するのもいいでしょう。

ひとつひとつの工夫は地味ですが、外出時の身支度がスムーズにできそうな玄関や、清掃用具の収納はもちろん小さな観葉植物くらいなら飾れそうなトイレ、洗剤やハンガーやタオルなどの置き場に困らなさそうな洗濯機置き場は、真剣に入居を検討している人にほど魅力的に映ります。

これらの小さな収納を組み合わせると、無理なく収納スペースを増やせるだけでなく、入居者のかゆいところに手が届く「暮らしやすいアパート」が完成するでしょう。

フリーレントを付与にして他の物件に差をつける

すぐに実施できて負担感も少ない空室対策と言えば、なんといっても「条件緩和」です。

敷金や礼金の免除、ルームシェアの許可、連帯保証人の免除など施策はいろいろありますが、中でも使いやすいのが「フリーレント」。フリーレントとは、一定期間の家賃を無料にする契約条件のことです。

家賃1か月分を無料にするケースが主流ですが、0.5か月分、1.5か月分といったケースも見られます。
「家賃を無料にする」と聞くと損をするように感じ、躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、空室期間を長引かせるよりも、フリーレントに惹かれた方に長く入居してもらったほうが結果的に損失の軽減につながります。

設備を導入する必要がなく、対策を講じるための初期費用がかからないこともメリットのひとつです。また「フリーレント」を絞り込み機能の選択肢としているポータルサイトが増えているため、検索対策にもつながります。

ただし、フリーレントを実施した物件で早期に退去されてしまうと、無料にした分だけ損失が生じてしまいます。実施の際は短期解約時の違約金の設定を忘れないようにしましょう。

現在の入居者を大切にして退去を予防する

ここまで様々な空室対策を解説してきましたが、実は「最高の空室対策」ともいえる施策があります。

それは「空室を生まない」という空室対策です。

短期での退去が続いて空室が生じているケースでは、現在の入居者が物件に対して強い不満を抱えている可能性があります。

しかし、アンケートの実施などによってその不満を明らかにできれば、その不満を取り除き、入居者の満足度を回復させ、長期間の入居を促すことも可能となります。このような入居満足度改善&入居期間長期化を図る施策を「テナントリテンション」と呼びます。

退去の理由が「設備が古い」であれば、設備の交換だけで空室の発生が防げます。「家賃が高い」であれば、短期解約違約金を設定したうえでの家賃を見直すなどの施策も検討できるでしょう。

また、5年以上の長期入居者に特典を用意するなど、長く住むことのメリットを感じさせる施策もテナントリテンションにつながります。次の入居者がすぐに見つからない時代だからこそ、いまの入居者を大切にする施策にも目を向けたいものです。

まとめ

アパートの空室対策にはお金がかかると思われがちですが、検索対策やこまめな清掃など、すぐに実践できる対策も存在します。

まずは検索対策となる設備を導入し、多くの方の目に留まる状態にしましょう。

また、内見時の第一印象や、募集時の写真の高品質化を意識した美観対策を行ない、反響率アップ・内見後の成約率アップを目指しましょう。

室内は細かな工夫の積み重ねでも魅力を付与できます。収納力や暮らしやすさにフォーカスすると、具体的な改善策が見えてきます。

なお、物件の物理的な改善が一段落している場合には、募集時の条件を緩和したり、入居者の実際の声から改善策を考えるなどの方法が有効です。

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