こんにちは。ディープスポット散歩人のぽんたまんです。
東京にはフィリピン村と化した「リトルマニラ」と呼ばれる地域があります。
その場所が足立区竹ノ塚駅です。フィリピンから出稼ぎにきたフィリピン人が、なぜだか竹ノ塚駅周辺に住むようになったとか。
ネットの情報では、フィリピンパブなどがたくさん並び、夜な夜なにぎわっているようです。
そこで今回は、小さなフィリピン村として栄えた竹ノ塚駅の「リトルマニラ」を探っていきたいと思います。
目次
竹ノ塚駅のリトルマニラに行ってみた【昼間】
竹ノ塚駅に到着しました。わたしは人生で2回目の竹ノ塚駅です。着いてまず最初に感じたのは異常な静けさ。
平日の昼間だからなのか、人があまりいない様子でにぎやかな感じが一切ありません。本当に「リトルマニラ」と呼ばれる繁華街があるのだろうか。
以前来たときは「リトルマニラ」のような場所を見た記憶がありません。存在するのか心配になってきました。
竹ノ塚駅の目の前には長く続く商店街があり、昼間でも人がたくさんいました。
街をなんとなく歩いていると、フッと気がついたことがあります。
それが東南アジア系の人をちょいちょい見るということです。わたしにはタイ人やベトナム人、フィリピン人の差がはっきりとわかりません。
しかし、事前情報としてフィリピン人が多いという情報が頭にあるので、東南アジア系の人全てがフィリピン人に見えてきました。
ただ、どこに「リトルマニラ」と呼ばれる場所があるのか全くわかりません。
竹ノ塚駅周辺には集合住宅が尋常ではないほどたくさんあります。集合住宅マニアの聖地とも呼べるほどいろんな建物があったので見ていて面白い。
竹ノ塚駅と言えば、「リトルマニラ」と並んで有名なものがあります。それがこの交差点。
開かずの踏切として有名で、反対側まで33メートルも距離があります。渡りきれずにはねられてしまう人もいたとか。
そのため、踏み切りなのに常に係員がいます。わたしが踏み切りの前で見ていると、拡声器を使って「踏切が閉まります!」と踏切が鳴る前に警告していました。
なかなか見ることができない光景です。さらに、踏切が開いてもすぐに閉まってしまうので、ほとんど常に鳴り続けているような状況。
ラッシュの時間帯とかどうなるんだろうか。。。
現在では、踏切問題を解消するために高架線を作っています。2021年の春には完成するとか。
なかなか大変な踏切だなぁ。。。と思っていると、目の前にフィリピンの国旗が書かれたお店を発見しました。
よく見ると、ビル全体がフィリピンパブです!
13時ごろだったので全てのお店が閉まっていましたが、どうやらこの周辺が「リトルマニラ」のようです。「リトルマニラ」では有名なフィリピンパブに「カリン」というお店があります。
そのお店もどうやらここら辺にあるようです。ここら辺一帯を散策してみましょう。
と言ってもすぐに不安になってきました。それはお店がやってないとかそういうことではなく、この通りから一歩入るとフィリピンパブがほとんどなくなってしまうからです。
一応あるにはありますが、、、いやっ、これはどこの駅にでもあるフィリピンパブの数程度。
わたしの心は「全然フィリピンパブないじゃん!どこがリトルマニラだよ!」と叫んでいます。
「リトルマニラ」であろう場所を中心にぐるぐると歩きました。確かにスナックやパブが多い印象を受けます。
ただ、このお店がフィリピンパブなのか、普通に日本人のパブなのかわかりません。
というか、そこまで繁華街的な印象がありません。ちょっと発展した駅ならどこにでもあるレベルです。
ニューハングリーでフィリピン料理をいただく
わたしが「リトルマニラ」を散策していた時間が早すぎたため、どこのお店もやっていませんでした。
そこで、唯一竹ノ塚駅からギリ歩いて行けるところに「ニューハングリー」というお店を発見。グーグル評価は非常に高く、本格的なフィリピン料理も食べられるようです。
竹ノ塚駅から徒歩で20分ほどかけて歩いて向かいました。なんともレトロでスナックのような外観ですね。
店内は想像以上にメルヘンチックなお店!
「いらっしゃいませー!」オーナーの元気な声が鳴り響きます。
オーナーの名前は聞いたのですが、タガログ語だったためカタカナにできませんでした。
オーナーはとにかく元気で、人見知りのわたしとでも会話が弾みます。もちろん日本語で。
「ニューハングリー」の面白いところはメニューがないこと。とりあえずオーナーに聞いてみて自動的に料理が出てきます。
こんな感じです。これら全てがフィリピン料理。
- 手前の煮込み料理:カルデレータ
- ご飯:ガーリックライス
- 右手前のスープ:シニガンナヒーポヌ
- 肉の棒:ロンピャ
正直、わたしが聞いたタガログ語をそのままカタカナにしているので、カタカナがあってるかどうかはわかりません。まあ、このカタカナ通りに発音すれば本場でも通じるほどの再現率なので、このカタカナで覚えてみてください。
「ガーリックライス」は説明不要だと思いますが、誰もが一度は食べたことあるニンニクと醤油の味付けです。ただ、この醤油がちょっと日本のやつと違う感じがします。フィリピンの醤油でしょうか。
「シニガンナヒーポヌ」というスープは、シニガンが味噌汁のような意味で、ナヒーポヌがエビのことを指しています。エビのエキスがたっぷりと出たスープで、ベースはトムヤムクンと似ている味がしますね。
「ロンピャ」は牛肉や玉ねぎ、セロリを炒めたものを春巻きのように包み揚げたもの。肉と野菜の香り、そしてどこかスパイシーな感じも美味しい。これはビールと一緒に食べたくなるような味です。
そして、フィリピン料理でも人気が高いのが「カルデレータ」です。
オーナーは美味しい食材だけを使用して時間をかけて調理しています。そのためか、「カルデレータ」が信じられないほど美味しい。
さらっと「美味しい」と書きましたが、帝国ホテルの37500円のディナーコースの1品くらいの「美味しい」ですから。マジで。
玉ねぎではなくわざわざ北海道から仕入れた赤玉ねぎを原型がなくなるまで炒めて煮込み、牛肉もマシュマロになるくらいまで煮込みに煮込みます。原宿のわたあめ屋さんもびっくりのふわふわ牛肉とフィリピン醤油のアジアっぽい味付けがクセになります。
宣伝ではありませんが、本当に美味しかったので機会があればマジで食べてほしいです。
そのあとは、オーナーさんと店員さんの2人からいろんな話を聞きました。もちろん両者ともフィリピンで生まれた方です。
オーナーがフィリピンにきたのが30年くらい前で、フィリピンよりも日本で生活の方が長いこと。今では街中に英語表記が増えたが、日本に来たときは漢字だらけで覚えるのが大変だったことなど。また、コロナの話などの時事ネタもたくさん話してくれました。
もちろん、肝心のリトルマニラについても話を聞いてみましたよ。
わたし「リトルマニラって呼ばれてる場所はあの有名な踏切の前あたりのことですか」
店員「そうだね。もうあそこしかないかしら。」
オーナー「今はあまりにぎやかではないよね。」
わたし「廃れたんですか?昔はもっとすごかったとか?」
オーナー「昔はフィリピンのタレントさんが日本に出稼ぎに来ていたんだよ。まぁ、タレントっていうかきれいな人。」
わたし「フィリピンパブで働くためにですか。」
店員「そうね。今なんてみんな年取っちゃってパブもほとんどないわよね。」
わたし「なんで竹ノ塚に集まるんですか?」
オーナー「それはわかんない。なんとなくフィリピンの人が竹ノ塚に多かったからここに来たって感じよね。」
どうやら、竹ノ塚にフィリピン人が多い理由はあまりよくわからないらしいです。おそらく、最初にやってきたフィリピン人のツテで、どんどん集まるようになったと考えるのが一般的でしょう。さらに、「リトルマニラ」と呼ばれる場所は、現在ほとんど盛り上がりを見せていないらしいです。
はっきりとは言っていませんが、「昔リトルマニラって呼ばれた場所」というような表現をしていました。
ネットの情報では「ものすごい盛り上がりを見せるリトルマニラ」的な書き方をしている記事がありますが、本当なのかどうかわかりませんね。もっとすごいスポットになっているものだと思っていましたが、どうやらそれもひと昔の話のようです。
何よりも「ニューハングリー」の料理が本当に美味しくて、竹ノ塚駅から20分歩いてでも行く価値があると感じました。全て手作りで作っているこだわりのフィリピン料理は、東京でも数少ないので、時間あるときに行ってみてください。
週末だけはバイキング形式で、フィリピンの本格料理5種類を1300円(税抜き)でいただくことができますよ。
営業時間:15:00~23:00
竹ノ塚駅のリトルマニラに行ってみた【夜間】
時刻は20時。平日ということもあり、にぎやかさがないというのもわかります。さらに「リトルマニラ」として栄えたのがひと昔前のことだったり、コロナの影響で客足も遠のいていたのかもしれません。(取材日:2020年3月12日)
ネットでは「客引きがすごい」と書かれていましたが、客引きには遭遇しませんでした。お店を出入りしている人すらいません。
「期待以上に静かだなぁ」
これが、正直な感想です。
大通りから一本入った「リトルマニラ」。もはや営業していないお店がほとんどでした。
わたしの行った時間が早すぎたのかもしれませんし、コロナの影響もあるのかもしれませんね。ただ、想像以上に「リトルマニラ」は小さく、にぎやかさもありませんでした。
個人的に一番興奮したのは、「ニューハングリー」の料理と開かずの踏切でした。
竹ノ塚駅って本当に治安悪いの?
竹ノ塚駅は治安が悪いなんて言われていました。肝心なのは「言われていた」という過去形であること。最近では治安も良くなっていて、家賃も安いので若い人もたくさん住むようになった街でもあります。
わたしも2回ほど竹ノ塚には来ていますが、治安が悪いと感じたことはありません。数年前に「リトルマニラ」が全盛期を迎えていたころは、もしかしたら治安も悪かったかもしれません。いろいろ調べてみると、「リトルマニラの勧誘が怖い」というものもありました。ただ、この記事も10年ほど前の記事です。
「リトルマニラ」が廃れたと同時に住みやすい街に変わっていったのでしょう。個人的にもスーパーや薬局、病院なども見かけたので、家賃が安いなら住んでみるのもアリだなと感じました。何より「ニューハングリー」の美味しい料理を食べられる付加価値は大きいですよ。
ぽんたまん
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