パラヴェント – Paravento –
パラヴェント概要
- 場所
- 東京都杉並区
- 竣工年
- 2011年2月
- カテゴリ
- 新築プロデュース
- 期間
- 約1年間
詳細
- 構造
- 鉄筋コンクリート
- 戸数
- 1K 16戸
- 市場調査件数
- 周辺1000室
目的
・いわゆる「旗竿地」の土地を効果的に活用したい
・周囲を囲まれた立地だからこそ「光や風を感じられる空間」を目指したい
・所有者・入居者ともに”誇り”が持てる建築
効果
・連棟式住宅(いわゆる長屋)とすることで、旗竿地の規制をクリア
・特徴的な外壁や室内のパティオの採用によって、解放感と唯一無二の印象を獲得
・こだわりが若年層へのアピールにつながり、完成時は相場比約16%高(15,000円程)の賃料で満室に
路地状敷地…、いわゆる旗竿地である点が、当プロジェクトの最大の難関でした。
アパートやマンションといった集合住宅では「特殊建築物」という扱いとなってしまい、旗竿地に建築することができません。唯一残されているのは「長屋(連棟式住宅)」というかたちでの賃貸住宅建設ですが、それも多くの制約を受けてしまう選択です(※)。
しかし、その点さえうまくクリアできれば、もともとの土地のコストからも高い利回りで運用できる可能性がありました。当社はさっそく周辺の市場調査を行ない、このエリアでは「若年層向け1K」のニーズが期待できることを突き止めました。
しかしながら、「ただの1K」では、近年の若年層の心を掴むことはできません。
また、もともと周囲を囲まれた旗竿地です。入居者の導線や周囲の視線を考えないと、どこか監視されているかのような「住みにくさ」を感じさせてしまいます。
そこで当物件には、まるで「屏風」のような、他では見られない特徴的な外壁を与えました。コンクリート型枠で形成したでこぼことした外壁は、周囲の視線を遮るとともに太陽光を乱反射し、敷地内に独特の光景を作り出します。
また、室内には開閉可能なパティオ(吹き抜け)を採用。ともすると閉塞感・圧迫感を感じてしまう旗竿地にありながら、生活の中に「光と風」を感じられる建物へと仕上げました。
綿密な市場調査、そして創意工夫の結果、当物件は完成前の満室を実現。
しかも、周辺の1Kに比べて約15,000円も高い賃料での満室となりました。
竣工から約10年、当物件の年間稼働率は98%超(2019年実績)と依然好調です。
建物名「Paravento」は、イタリア語で「屏風」を意味します。
(※連棟式住宅についても、東京都では2019年10月より条例によって規制を強化。現在でも建築はできますが、空地の確保が必要となり、同様の仕様での建築は難しくなっています)